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後継者の減少、農業従事者の高齢化、TPPによる輸入品との価格競争など、農家の皆様にとっては、将来的にも、決して先行きの明るいとは言えない現実に直面しています。確かに、日本の農家が培ってきた農業の技術や品質は、国内だけでなく、世界からも求められています。

 しかし、変化に富んだ時代の中、農業に専念しより良い農作物を作り続けていく為に、それぞれの農家の皆様が農業収入とは別の安定した副収入を農地を利用して確立する方法として、また地球にやさしい再生可能エネルギーによる発電として『ソーラーシェアリング』が注目されています。

 農地を従来の農地のまま使用していることで、本来得られるはずの収入と利益を取得できずにいる現実を見直さなければならない時が来ました!

TPPによる農林水産物への影響

詳しくは内閣官房が発表したTPPによる『農林水産物への影響試算』をご覧ください。

ソーラーシェアリングとは

 ソーラーシェアリングとは、近年脚光を浴びている太陽光発電の中でも『農地でできる新たな太陽光発電のカタチ』です。その歴史は古く、10年前は特許出願され技術公開がなされています。
具体的には、農地活用の新たな形としても注目されている通り、農作物を栽培している農地の上に、藤棚のように太陽光パネルを並べて設置し、太陽光を農作物と発電で『シェアリング』するというものです。

農地の資産価値を上げ、耕作物を守る唯一の方法

 科学的に証明されたデータを元に、作物に必要な太陽光を調整して供給し、同時に太陽光発電も行なうことができるシステムが「ソーラーシェアリング」です。某研究所の基礎試験では、耕作物のより良い収穫と、高温障害の防止が確認されています。また、太陽光発電によって、電気代の節約になるだけでなく、売電によって農地そのものの資産価値を高めることが可能になります。

 太陽光発電の力は凄まじく、日本の農地のわずか13%にあたる60万haにソーラーシェアリングを実施すれば、その発電量は、日本の一日の電気使用量の最低ラインにまで達します。今後の設置場所の拡大や発電効率の向上によっては、全電力を太陽光発電で賄うことも夢ではありません。また、ソーラーパネルが不要な光線を遮ることによって、灌漑用水の節約や地温の適正化、架台に防虫網を取り付けることによって作物の防除も行えます。

 東日本大震災によって認知された原子力発電の危険性と、未来への負の遺産である放射性廃棄物の問題。農水省に公認された「ソーラーシェアリング」は、農家の皆さんとともに、農地の資産価値向上と、太陽エネルギーのみで生活できる未来を創造してまいります。

ソーラーシェアリングの3つのやさしさ
  1. 地球環境へのやさしさソーラーシェアリングでは太陽光を使用しますので、自宅の屋根に太陽光パネルを取り付けるなどの方法と同じ要領で、地球環境に対して非常にエコロジカルな方法で発電します。原発への反発が高まり、既存電力への不信感が募っている昨今、100パーセント国産の安全な電力が得られる事になります。そのような地球にやさしいエネルギーが、農業を行いながらも手に入るのです。

  2. 使う人へのやさしさ既存電力の値上げ論争が繰り返される中、太陽光発電は自前の設備と太陽の力だけで済むので経済的だとして注目を浴びています。ソーラーシェアリングにおいても同じく、農作物を育てるための太陽光を確保しながらも経済的に電力を得ることができます。農業を営む方々にとって、非常にコストパフォーマンスがよく、お財布にやさしいのです。既存の農地で農業を廃業して、売買目的の発電を行うには、転用許可が必要ですが、ソーラーシェアリングという形は、農業を続けながら発電ができるという、画期的なスタイルなのです。

  3. 農作物へのやさしさ多くの農作物にとって、太陽光の浴びすぎは生育に悪影響を及ぼしますので、 古来から、農業における日当たりの調整というものは必須でした。また、ソーラーシェアリングの方法としても、ソーラーパネルを設置することにより、適度に太陽光を遮る事ができるようになります。農作物の種類によっても、パネルの間隔等を調整することで、生育にベストな分量の太陽光を、程よい木漏れ日のように浴びさせる事が可能なのです。 現在既に、ネギやサツマイモなどの弱光作物にも応用できないか検討が進んでおり、今後も応用実験が次々と成功していく事により、どんな農作物を扱う農家でもソーラーシェアリングが導入できるようになる可能性があるのです。古来と同じく日除けを行いながら農作物を育てるやさしさを、ソーラーシェアリングは持っています。

以上が新しい農業のカタチとなるであろう『ソーラーシェアリング』の魅力です。日本の狭い国土の中で、長年見落とされていた農地というものを有効に活用し、「やさしい」エネルギーを生み出す事、ソーラーシェアリングではそれが可能なのです。国政においてもエネルギー問題は大きな課題として注目されていますが、近年の未曾有のエネルギー危機、それを打破する力をソーラーシェアリングは秘めています。

太陽光パネルの設置が可能となる農地の一時転用許可の条件

 農林水産省は、農地に支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備について、パネルを取り付ける支柱の基礎部分を一時転用許可の対象とするなどの取り扱いを決め、平成25年4月1日に公表しました。

 当然、農地としての変わりませんので、土地の固定資産税は低く維持された上で発電を行えます。

一時転用の許可の条件には

 

  • ①(パネル)下部の農地での営農の適切な継続が確実で、パネルの角度、間隔などからみて農作物の生育に適した日照量を保つ設計になっていること

  • ②支柱の高さ、間隔などからみて必要な農業機械などを効率的に利用できる空間が確保されていること

  • ③支柱の面積が必要最小限で適正と認められること

  • ④周辺の農地の利用、農業用用排水施設などの機能に支障を及ぼさない

  • ⑤パネル下部の農地で生産された収量などを年1回報告する義務

       などが確認される必要があります。一時転用許可期間は3年以内。

営農の適切な継続が確保されていないとは

 

  • ①営農が行われない場合

  • ②パネル下部の農地における単収が同じ年の地域の平均的単収とくらべておおむね2割以上減少

  • ③生産された農作物の品質に著しい劣化が生じている

  • ④農作業に必要な機械等を効率的に利用することが困難であると認められる場合

といった事項が認められるときには、営農の適切な継続が確保されていないと判断される可能性があります。

※詳しくは農水省が発表した『支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての取扱い』をご覧ください。

農地を太陽光発電と併用する収入

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